立門 ── 修羅として己を尊ぶ門

立門は、人間関係を武器に戦っていく人たちです。

自分自身、友人、同僚、部下、後輩、競争相手、敵。こういった人間関係を、うまく自分で使いながら、武器として活用していきます。

立門には、陽立門と月立門の2種類があります。同じ立門でも、この2つは雰囲気もイメージも見た感じも大違いです。

一言でいうと、立門は王的存在です。ただし、今の時代、そうやすやすと王にはなれません。だから立門は、一部の人しか発動しません。立門を発動しないまま人生を終える方が、圧倒的に多いのが立門の特徴でもあります。

このページでは、その発動のさせ方までを扱います。

陽立門 ── 人徳を武器に戦う

陽立門は、友人や同僚と同じ背丈や地位で関係性をもっていきながら、他人を使います。

人徳を武器に戦い、自らの強い自尊心を満たして戦います。

イメージキャラクターは、三国志に出てくる劉備玄徳です。

人徳とは、何か

「人徳」という言葉は曖昧に使われがちなので、門学での意味をはっきりさせておきます。

日ごろの行いの結果として、周囲の人から大切にされるのが人徳者です。

・愛情をもって、人に対して、第三者に無償の愛の形をもっている

・常に陰で良い行いをしている。自ら表ざたにしていない

・何かをするにしても、とにかく一生懸命である

・夢、理想をもっていて、それに向かって目標を立てている

・目標実現のための手段をもっている。戦略術をもっている

・他の誰よりも自らが率先して実行していく

人徳者が一人いると、その周りで巻き起こるストーリーは、感動の雨嵐になります。その人徳者の話を聞くと、官門の人たちを中心に、みんなが大粒の涙を流すという現象が起こります。

「人徳が得意です」と言った瞬間に、人徳ではなくなる

ここが陽立門のいちばん難しいところです。

プロフィールの得意技に「人徳」と書いている人がいたとしたら、それは陽立門ではありません。嘘くさい人徳者になってしまいます。愛情がない、冷たい、無償の愛を感じられない、と言われてしまう。人徳者とはほど遠い状況になります。

表でドヤ顔しながら「俺、いい事してるんです」と言うのも同じです。感動の涙どころか、周りがみんな去っていきます。

一生懸命さ、ひたむきさがなくても、人徳者とは言えません。単に言うことが素晴らしいだけではなく、本当に心底伝わるような一生懸命さがないと、人徳者とは言われません。

自分で人徳者ですと言ってしまう人に、人徳者はいません。あくまでも周囲の人たちが「この方は人徳者だ」と立てるべきものです。

陽立門の場合、自分で立ってはいけません。自分は何かに打ち込んでいて、その姿を見た周りの人たちが、勝手に感動しないといけない。そういう人たちが集まってきて、その人をリーダー的存在として認め、周りによって立てられるのが陽立門です。

陽立門に向いている仕事

自らの強い自尊心を満たせる仕事に励むといいです。

他人に依存しない生き方は、ビジネスパートナー、仲間、同僚、お客さまの負の気を取り払い、自立心を周りにも促します。

ポイントは、目立つことができて、自分が中心になれる仕事です。

ただし、ここが難しいところですが、それを計略的にやるとだめです。結果的に目立ってしまうようなポジションにいる、という仕事がいい。

・ビジネスパートナー、仲間、同僚とともに活動できる仕事

・「みんなともに頑張ろうぜ」を、口ではなく後姿で語っていける環境

・商人のようにペコペコ頭を下げなくてすむ仕事

・自分の裁量で、自由にどこかに行ったり誰かと会ったりできる分野

結果として、会社創業者、会社経営者。サラリーマンの場合はコンサルタント、営業が向いています。

コンサルタントと営業は、基本的に相手に自分が先生としてアドバイスしながら、相手をよりよい方向に導く仕事です。だからお客さんと接するときにペコペコしなくて済みます。最初から会社のスーパーコンサルタントとして相手に会うので、自由に自分の裁量でできます。

営業は、訪問販売というより、大きい会社の組織の中でのルート営業のようなかたちです。あらかじめ決まったお客さんがいて、相手も自分たちが扱う商品やサービスを熟知している。その人たちに、その先の提案をしながら販売していく。ここが適職です。

陽立門の言動の特徴

・目的達成に向けて歩むとき、自分が勇者になったセルフイメージを持つようにしている

・他人に依存することなく、自らの強い自尊心を満たすことで、満足感が自分で勝手に満たせる

・目立つことができて、自分自身が中心になれる場所で力が発揮できる

・基本的に他人に頭を下げることは苦手である

・他人に頭を下げなくてもいいように、一生懸命活動している

・自我を表に出すことをコントロールできるが、裏ではかなりの負けず嫌いである

・仕事をやるうえで周囲の意見に流されず、目標を達成するまで頑張りぬく自信がある

・まだ誰も開拓していない新規開拓に携われることは、非常にワクワクする

・前進するとき、周りの同僚たちの気持ちを理解しがたくなり、問題が起こる

・自分のわがままが原因で、周りの人たちを傷つけてしまったことがある

・自分のわがままが原因で、事業や投資が失敗したり、訴訟されて争ったことがある

・調子のよいときには、自分の思いどおりに周りが動いてくれて仕事が進む

・先祖からの財産や仕事を引き継ぐことなく、自ら創業することが成功だと思っている

・持ち前の勘を生かして、自由自在に活動できるときにうまくいった

・プロジェクトを立ち上げたときに、仲間、同僚、協力者が自然と集まってくることが多い

・普段、周囲への気遣いで疲れても、周りから励まされると存在感がわいてくる

・自分らしく自然体でいることができたとき、物事がうまく運ぶ

・無理に協力を求めなくても、努力・奮闘していると、仲間や同僚が勝手に助けてくれる

・常に、仲間、同僚、部下、後輩と同じ背丈や地位から物事を語っている

・組織を立ち上げるとき、自分を中心とした組織を構築した

・人にアドバイスをしたり、商品を販売したりの仕事は得意で、好き

いいことだけでなく、悪いことも含めて読んでください。本来あるべき陽立門とはこういうものだと認識して、その認識の力で自分を寄せていくことが重要になります。

陽立門の成功のイメージ

・よきビジネスパートナー、仲間、同僚、協力者たちが集まってくる

・彼らとの熱い語り合いが、ビジネスの道で成功を導く

・気遣いで疲れがちなときでも、周りから励まされ、大切に思われることで存在感を取り戻し、自分らしく自然体でいる

・悪くいうとお人よしで、人に利用される。ビジネス・投資の世界では損をしがちだが、相手に自分の意見をきちんと言うことができる

・自らの力で立ち上がり、挑戦意欲高く、自分の構築した世界観のもと、仲間たちを先導するかたちで、いかなる困難や問題もはねのけながら前に進む

陽立門の特性が強い方は、サラリーマンとしての活動で、かなり困難な目に遭っていることがあります。結果として会社を飛び出て、事業を起こす方も多いです。

親が事業をやっていても、引き継ぎたくないのが特徴です。引き継いだら、まったく違う会社・事業になってしまった、というのもよくあるパターンです。すでに形ができているものであっても、それが親のやっていることだと、引き継ぎたくない。

月立門 ── 強制力を武器に戦う

月立門は、敵や競争相手がいるところがポイントです。

威圧感や強制力を「囚われ」として持っていて、そこを武器に戦っていきます。もともと強靭な生命力が備わっていて、人間としての力を誇示して戦います。

イメージキャラクターは、独裁者、ワンマン社長です。歴史上でいえば織田信長、曹操。作品でいえば、『プラダを着た悪魔』に出てくる、あの厳しい上司の役です。頭が切れて、強制力があって、直感も感覚も優れていて、バシバシ仕事ができる。一人のトップがいて、他のみんなが従っていく構図になります。

月立門の場合、圧倒的な強制力がすごい。黙っていても闘気のようなオーラが出ています。頭の回転が早く、重箱の隅をつつくような繊細さもありながら、ダイナミックなことをやってのける。

そして、一度軍門に下ると、本当に大切にしてくれる親分肌です。ただし、切るときはバサッと切ります。たるんでいる部下は容赦なく切る。敵対するものには容赦しない、というところが見られます。

月立門に向いている仕事

とにかく自分自身の強さを発揮できる仕事に関わることです。

強靭な生命力に集まってきた周りの人たちに、力を与える。自己演出力を生かすことで、強引な交渉事の中でも中心人物になっていけます。

・大勢のビジネスパートナー、仲間、同僚、お客さまに認められる環境

・駆け引きができる仕事

・単独でも行動ができる仕事

・積極性が必要とされて、難易度が高いとされる仕事

・執拗さや粘り強さが必要とされる仕事

・本能的な力が必要とされる仕事

創業者、会社経営者、コンサルタント、新規営業、政治家が向いています。

なぜ、政治家なのか

政治家が出てくる理由は、はっきりしています。

下にいるときには「偽れる人間」でないといけないからです。

自分の強さを、あえて隠せる人間でなければならない。でも、上がるときにはガンッと力を使える。ちょっとずる賢く、自分をうまく使い分けることができる。これが月立門の特徴です。

一方、陽立門は素直過ぎます。素直でまっすぐで、あまり嘘がつけません。月立門は立門でありながら、嘘もつける。ここが大きな違いです。

会社組織の中では、社内の仕事よりも、お客さんに接する仕事が向いています。しかも、ペコペコ頭を下げるのではなく、上から教えてあげる、アドバイスをしてあげるかたちです。組織対組織の折衝には、月立門はとても強い。一対一で顧客に直接ペコペコする形では、あまり力が発揮できません。

月立門の言動の特徴

・自分自身の強さを発揮できる仕事に携わるとうまくいく傾向が強かった

・生命力はかなり強いほうだと周りから言われる

・自己演出力を生かすことで、仲間たちの中心になれると思う

・強引な交渉をすると物事がうまく運ぶ

・仲間たちに認められる環境だと力を発揮できる

・単独で行動できる仕事だとうまくいく

・難易度が高い仕事に取り組むとき、やる気が出てくる

・執拗さ・粘り強さだけは誰にも負けないと思っている

・本能的な力が発揮できる仕事を得意とする

・表向きは温和に見られがちだが、実はプライドが高い

・人生の中で、他人がなかなか認めてくれないことに憤りを感じている

・周囲と勝敗をつけるかたちで争うのは好きである

・一度負けると、巻き返しのチャンスを静かに執念深く狙っていく

・常にはかりごとを巡らしているが、それを隠して表向きは笑顔で臨める

・普段からなぜか満たされない気持ちを持ち続けている

・華やかであり高価なものを持つことや、贅沢にあこがれる

・ギャンブルや投機的なことに興味をもっている

・仲間や同僚たちよりも高い評価を獲得できるとうれしい

・仲間や同僚たちを軽く見てしまうことで、仕事上のトラブルを抱える

・仲間や同僚たちと会食やパーティーをするのが好きである

月立門の成功のイメージ

・自ら構築した世界観に沿って、目標に向かってがむしゃらに取り組む

・小さなことにはこだわらず、仲間や協力者に気前よくなることで、部下・生徒たちが増える

・自らが構築した世界観の中で壮大な目標や計画が広がり始めて、目先のことに囚われなくなる

・精神世界を共有できる仲間、協力者、部下、生徒たちを集め、周りの協力を仰ぎながら目標達成に向けて具体的な行動を起こす

・賛同して集まってきた部下、弟子たちの協力を得ながら、ビジネスはよい方向に前進を始める

・他人の失敗さえ、自分にとって棚からぼたもち的な利益をもたらしてしまう

・屈強なメンタルに満ちあふれ、つまずいても、転んでもタダでは起きず、それさえも目標達成に生かす

困難を恐れず挑戦して、新しい分野を開拓する。これが月立門の囚われです。

日常での、こまかい違い

同じ立門でも、日常の印象はまるで違います。

陽立門は、本当にマイペースです。一見、仕事もできないようなイメージすらあるのに、着々と何かをやっていくことができます。

月立門は、とにかくバリバリ仕事ができるように見えます。普段は自分をきちっとすることができる。だから、まだ自分が下にいても、上司には意外とペコペコできます。

月立門には、面白い共通点があります。社内恋愛に発展することが多い。社内で下っ端にいたとしても、強制力が一部に発動するようです。上から押さえつけられている状態だから、という理由です。

もうひとつ。普段きちっと下っ端で真面目にやっている人ほど、酒を飲むと変わる。僕が今まで見てきた中でも、月立門の特性が強い人には多かった気がします。

立門の強みを、強くする

ここからは使い方です。まず、自分の強みを強くするところから始まります。

一つの分野で、プロフェッショナルになる

何が強みになるかは、時代によって変わります。

いにしえの時代なら、立門の方は剣の技を磨く。剣で圧倒的な達人になるところに力を費やして、そこで数々の伝説的な偉業を成し遂げる。周りの人たちが集まってきて、その人を王として立てていく。そういう流れがありました。

現代なら、情報工学や金融工学の活用です。業種・業態でも、自分の専門分野をつくって、そこでまずプロフェッショナルになる。それが深ければ深いほど、後々、立門として立ったときに抜群の力を発揮できるようになります。

内臓の強さ ── 特に、肺と心

門学では、内臓の強さを重視します。肝、心、脾、肺、腎。これがバランスよく、相対的に強くある必要があります。

立門にとって特に重要なのは、肺の強さと心の強さです。

肺が強い人は、面白いことに、黙っていても威圧感を感じさせます。口を閉じて呼吸をしているだけなのに、何か威圧感が漂っている。そういう力を発揮できます。

肺は、物理的に鍛え上げる方法があります。絶対的な腹式呼吸です。

・口は閉じた状態にする。口で呼吸をしてはいけない

・舌を上あごに付ける

・鼻を使って、ゆっくり吸って、ゆっくり吐く

・呼吸を、人体の上ではなく、下のほう、中心のほうに起こしていく

・目安は、4秒で吸って、4秒で吐く

これが本当の肺の使い方です。月立門や陽立門の人には、この呼吸法を自然にしている人が結構多いというのが、僕が見てきた実感です。

使いこなせるようになると、肺の物理的な大小や強さよりも、肺そのものの概念を使いこなせるようになるので、強く見えるようになります。鼻で吐くだけで、存在感を肺の力から発動させることができる。自分で話さずとも、勝手に周りが覇気を感じてくれます。

もうひとつが心の強さです。ここが強いと、カリスマ性が出てきます。東洋医学でいう心を強化すると、立門としての能力が発揮しやすくなります。

呼吸から伝わる威圧感、影響力、カリスマ性。これがあると、立門として立ちやすくなります。

甘いものを断つ

門学では、立門はシュガーズを根絶するように、と教えます。砂糖、甘味料、はちみつ、フルーツ、チョコレート、ケーキ、缶コーヒー、ジュースなどです。

僕が仲良くさせていただいている大富豪は、よくこう言います。

アリと一般人は、塩と砂糖があったら、同じ白いものだけど、砂糖のほうに群がっていく。

大富豪のレベルになる人には、本能なのか、どこかで学んだのかは分かりませんが、甘いものを取らない人が多いというのが実感です。

門学の考え方では、甘いものを取ると肝臓が燃えやすくなり、肺を剋してしまう。あるいは脾臓の調子が悪くなって、心臓の力を奪っていく。そういう見立てをします。

血と空気の循環を常に回す状態にしておく。そうすると、威圧感、影響力、カリスマ性を、しゃべらずとも発せられるようになってきます。

早いうちに、欲を満たしておく

これは立門にとって、決定的に重要です。

門学では、マズローの欲求五段階説を参照します。

1. 生理的欲求

2. 安全の欲求

3. 所属と愛の欲求

4. 承認の欲求

5. 自己実現の欲求

第5段階の自己実現の欲求まで行かないと、周りは人徳者として認めてくれませんし、力強い王としても認めてくれません。

だから、立門に生まれた方は、幼いとき・若いときまでに、やりたいことをやりたい放題やらせておくのが、実は正しい。

・生理的欲求は、幼いうちは抑制せず、わがまま放題やらせておく

・安全の欲求は、自分で早く稼げるようになって、必要最低限、食べていけるようになってもらう

・所属と愛の欲求も、どんどん取り込んでいってもらう

・そして、なるべく幼いころから、とにかく認められまくる

王様が「俺を認めてよ」と言うのは、超格好悪い。王様は、誰に認められなくても自分はやる、と言い続ける人が、周りに「すごいね」と認められて伝説になっていきます。「俺を愛してよ」「俺を仲間に入れてよ」も同じく格好悪い。

世の中では、欲を制しなさいと教えられます。子供にも「してはだめ」と言いがちです。けれども、それが門の囚われに基づいているのであれば、やりたいことをやらせたほうがいい。(もちろん、法律に違反して逮捕されるようなことは別です)

門学は帝王学なので、サラリーマンとして丸い人間になりましょう、という話ではありません。学校では、絶対にこういうことは言いません。官や学の世界では言えないことです。

大人になってからでも、埋め合わせはできる

すでに大人で、ありとあらゆる欲をクリアしていない場合はどうするか。

会社の中や、自分のメインのフィールドではなかなかできないので、別のところで欲求を満たしておく必要があります。

ネットの世界でもいいし、ゲームの世界、趣味の世界でもいい。とにかく欲求は全部満たしておく。

面白いことに、欲を満たしていくと、その欲に対しての関心が薄れていきます。なるべく早く、自己実現の欲求まで行く。そうでなければ、立門は発動できません。

たとえば承認の欲求は、SNSで反応をたくさんもらうといった形でも埋められます。最初のうちは嬉しく感じますが、途中でだんだん慣れてくる。そこで自己実現の欲求が出てきて、リーダーシップを発揮できるようになるパターンも、よく見受けられました。

今までの人生で足りなかった部分、欠如している部分を、恥じることなく、とことん埋め合わせをしてください。わがまま放題、大歓迎です。

お子さまが立門だったら

素直に勉強させても無駄です。何か習い事をさせても無駄です。親が言えば言うほど、絶対にやりません。

まったく違うことをします。たとえ親が大富豪であったとしても、平気で引き継ぎません。

親からすると意味がわからない。「何でこの子は、これだけの会社を放棄して、勝手にどこか独立起業して、あんな貧しい生活をしているんだ」と。実際、そういう例があります。

そのくらい、立門の囚われは強い。お子さまが立門だったら、とことん自由にしてあげるべきです。

立門の弱いところを、補う ── 誰と組むか

ここからが、立門でいちばん重要な部分です。

まずは、創門として動く

立門の人は、創門の生き方をするのが処世術です。最初はそちらへ振っていきます。

理由は単純で、立門が発動するまでには、相当な時間が掛かるからです。

陽創門に振るなら、こういうマインドセットで仕事に臨みます。

・マイペースで楽しみながら仕事をして、創造的で芸術的なところに関われる仕事をする

・楽しいライフスタイルを謳歌できる仕事をする

・相手の苦しみを助けて、真摯に癒しに関われる仕事をする

・愛情をかけて、子どもや若い人たちを育成する

月創門に振るなら、こうです。

・時流、流行に乗った情報発信者になる

・革新的感覚を生かせる仕事をする

・独自のセンスを生かし、その業界の情報発信源として流れを生む

・古い体質を打破して、新しい風を送り込める場所で力を発揮する

・企画や新しいアイディア、流行やセンス、言葉や話術を発揮できる仕事

・心地よさを感じられる仕事

・型にはまらない独自の世界観を構築できる仕事

どちらをやるかは、自分の直感に従って構いません。立門の方を詳しく分析していくと、意外と自分がどちらを得意とするかを直感で理解していたりします。

創門を何年やればいいのかは、正直分かりません。その人の流れによって違います。

ただし、ひとつだけ条件があります。人に見られる場所でやってください。

風水的に、本当にひとりでやっていたらだめです。誰かがチラッと見てくれるような環境でそれを行うと、周りの人が「すごいね、あの人」と気付いてくれる。誰かが気付いてくれないと、発動は難しい。

ブログ、SNS、ホームページ、メールマガジン。今の時代は、ここが使えます。情報工学です。まずは創門として情報発信を徹底的にやり、その技術や才能に共感してくれる人たちを集めていく。まずはそこですごい人になるのが、最初のステップです。

劉備玄徳は、50歳までわらじを編んでいた

三国志の話が、そのまま教科書になります。

劉備玄徳は、最初から王様として活動したわけではありません。50歳まで、単なる田舎の村の中でわらじを編んでいました。月創門的に、ひとり黙々と、ちまちまと。

50歳のとき、「実は劉備玄徳は皇帝の末裔らしい」という噂が巻き起こります。そこから関羽や張飛といった官門の人たちが集まってきて、財門の諸葛亮孔明が来る。

逆にいえば、劉備玄徳は50歳まで、誰も認めてくれなかったのです。

村の一部の人たちだけが「あの人は一生懸命で腕も確かだよ、人もすごくいい人だよ」と理解していて、その噂がちびちびと、たまたま訪れた旅人の耳に入っていく。そういう状態でした。

陽立門は、誰も認めてくれなくても、ひたむきに何かに打ち込み続けることで、接した人がその言うことに感動する。だから「この人は実はすごい人なんじゃないか」と話題が広がっていきます。

そして、財門の人がパートナーとして語ると、そのすごさが噂になって広まっていく。

月立門も、基本は同じです。発動するまでは、好きで楽しいことばかりやっている方が多い。織田信長も、若いときは「うつけ者」と言われ、好きな時に好きなところへ行って遊び歩いていました。それがある事件をきっかけに、王として目覚めていきます。

最初に組むべきは、財門

陽立門にとって、いちばん最初に見つけるべきパートナーは、財門の方です。月財門でも陽財門でも構いません。

財門にとっても、陽立門と組むのは安心感があります。人徳者なので、変な裏切り方をしない。立ったとしても人徳者のままでいてくれるので、財門としても安心できます。

立門から見ると、財門は非常に組みやすい相手です。発動している財門は、一緒にいても自我を出そうとしません。何でも相手の言うことをまずは受けて、適切なところでアドバイスもしてくれる。「俺が俺が」と前に出てこない。むしろ「自分は後ろが好きだから、前を頼むよ」となります。

次に組むべきは官門。そして、ここが登竜門になる

財門を得た陽立門が次に考えるべきなのは、官門です。

そして、ここが立門にとって最大の難関になります。

立門にとって、官門からの上申は、他の門の人には想像もできないほどダメージが大きい。

たとえば、こういうことが起きます。

大富豪を囲む10人ほどの食事会に、陽立門の方がいました。その方が「このあと、ちょっと飲みに行きませんか」と大富豪に声をかけた。大富豪が席を立ったあと、同席していた官門の二人が「よくあのタイミングで会長にそういうことを言えますね」と言った。

後日、その陽立門の方は「もう次からあの会合に行きたくない」と言い出しました。理由を聞くと「官門の二人に剋された」と言うのです。

僕が官門の二人に確認したところ、まったくの褒め言葉でした。「私たちでは、到底あのタイミングでそういうことを言えませんよ」という意味だったのです。

言った側には、悪気がまったくありません。それでも陽立門には、深く刺さる。サラリーマン時代に官門の後輩から「これやっちゃ駄目です」と言われ続けたトラウマに、その一言が触れてしまう。

さまざまな陽立門に聞くと、みんな同じようなエピソードを持っています。

けれども、会社組織がうまく機能するためには、財門だけではだめです。

官門の人たちがいて、ようやく組織は横にも広がり、縦にも深掘りされていきます。官門の人たちはぶれません。官門をうまく活用できるようになると、会社組織は永続的に続くようになります。

だから、ここに登竜門があります。

財門のおかげで立つことができたとしても、そこから先を自分の好きな財門だけでかき集めたら、その組織はうまくいきません。いつまでも小さい組織で、財門だけがフワフワとやっている組織になる。陽立門も、自分が好きな人と好きなことだけを語っている、慣れ合いの組織になってしまいます。

内臓を鍛えて人間としても強くなり、嫌でも官門を雇う勇気と実行力を持たなければ、本当の王にはなれません。

そこを克服できたごく一部の陽立門・月立門だけが、経営者として成功し、存続することができます。

雇う順番

まとめると、こうなります。

順番誰をなぜ
1番目財門自分を王として立ててくれる。自我を出さず、後ろに回ってくれる
2番目官門組織を縦横に広げる。ここに耐えられるかが登竜門
3番目修門英知を蓄える
最後創門立門自身が創門の力を持っているので、急がなくてよい

財門が、立門と官門のクッションになる。この形がいちばんうまくいきます。

財門が言うと、官門のように機械的ではなく、たとえ話をしながらサラッと伝えるので、立門は素直に聞くことができます。官門の側も、立門と直接言葉を交わせる立場にいるなら、一呼吸おいて、剋しすぎないようにする。この三人がうまく組むと、コアな組織はうまくいきます。

そして、官門の剋しに耐えられるようになると、立門は次のレベルへ昇格します。自分の弱点をあらかじめ脳に入れたうえで耐えられるようになると、偉大な王になれます。

立門どうしは、絶対に組まない

発動させた立門は貴重な存在でなければならず、同じ組織内に立門がたくさんいる構造は避けなければいけません。王は一人でいい。

立門の方は、ある程度大きい組織にならない限り、立門の人を雇わないほうがいい。パートナーシップも組まないほうがいい。

立門と立門は、絶対にやめたほうがいい。

これを間違えると、お互いが必ず裏切り合うことになります。裏切った気持ちがなくても、立門の囚われに基づいて、それぞれが勝手に立ち上がっていってしまう。結果的に、裏切りと見られるようになります。

もちろん、組織が大きくなって、官門と財門が縦横に広げていった中で、自分が直接関わらない立場の人間として、コンサルタントや営業に立門を雇うのは有効です。独立して営業に行かせる人員としてなら構いません。

自分の強い部分を強くするために、同じ強さを持つパートナーはいらない。最初の5人、10人の組織では、自分とかぶらない構成をつくることが、とても重要になります。

行き詰まったら、賢者に会いに行く

修門との関係です。

立門として行き詰まったときには、賢者的な人に会いに行くといいです。

しかも、みんながすぐ会えるようなところにいる人ではなく、辺境の地にいる不思議な力を持った人、いにしえから伝わる秘術を持った占術師のような人がいい。そういう人に会うと、魔法の力のようなものを授けてくれることがあります。

そうすると、王がまた不思議な力をまとって再降臨するというかたちで、偉大なる王に近づいていきます。映画でもよくある話です。負けて行き詰まったとき、すべてを失ったときに、一度自分を無に戻して賢者に会いに行く。

行き詰まったら賢者に会いに行く。これを覚えておいてください。

立門が、してはいけないこと

立門の使い方は、やることより、やってはいけないことのほうが多いと言ってもいいくらいです。

王だと、自分で言わない

自分で王と言ってしまうこと。これほどダサいことはありません。

あくまでも第三者に認められて、創門から立ち上がるのが王です。

・「代表取締役社長です」と自分から言わない

・肩書きを盾にして、何かを言い出さない

・「王様だよ、みんな来てくれ」と言わない

陰でよい行いをして、自ら表ざたにしない。それを財門が全部拾っていく。そのあとに官門が民の前で涙をする。そこで初めて、人徳が人徳として表に出てきます。

同じことをやっていても、誰がどう言うかによって、全部変わります。

「あの王こそが真の王だ。自分の食べものもとらずに、民に分け与えていた」と財門が語れば、民は涙を流して感動します。けれども王様が自分で「私は自分の食べものを削って、民に分け与えていたんだよ」と言えば、格好悪くなる。

怒り方にも、線がある

月立門が強制力を発揮するのは構いません。ただし、怒る理由に線があります。

よい「何でおまえら、こんなセンス、ちゃんと発揮できないんだ」「これ本気でやってるのかよ」
だめ「何でおまえら、俺のいうことを聞かないんだ」「言うこと聞かないんだったら会社辞めちゃえ」

仕事の上での基準で怒るのはいい。「私に従いなさい」という部分で怒ると、格好悪くなります。同じ強制力でも、ここは大違いです。

財門的な動きをしない

立門の方が、財門のように財のことを自ら語ると、地に落ちます。

特にしてはいけないのは、自分の部下以外の、第三者の組織の他人をほめたたえることです。自分よりすごい人をほめたたえるのは、財門が得意としていることです。

プロフィールの「尊敬する人」の欄に、生きている人を書いてはいけません。

書いてよいのは、お亡くなりになっている方か、地球の裏側に住んでいて、多くの人が絶対に会いに行けないような、辺境の地の仙人的な方です。

手の届く範囲の人をほめたたえてしまうと、誰も立門について行かなくなります。本来自分が頂上であるはずなのに、みんながそのすごい人のところに行ってしまう。

これは、実際に起こります。僕のパートナーの陽立門の方が、第三者の組織の人と組んで、相手をほめたたえる財門的な動きでビジネスを構築したことがありました。案の定、しばらくすると相手にズバッと切られ、お客さんを全部持って行かれました。しかも相手は、立門の悪口しか言いませんでした。

いにしえの時代にあった、立門の失敗パターンのストーリーが、そのまま現実に起こります。

官門的な動きもしない

立身出世を自ら口にすると、立門の資格を剋されて失います。

・「誰かについて行きます」「弟子にならせてください」と言わない(本当のビギナーのうちは構いませんが、中堅以上になってからは避ける)

・「法律コンプライアンスを重視しましょう」のような、ルールや規則を口にしない

・規則や法律を盾に、民やパートナーにものを言わない

これらは、自ら自分を剋す行為になります。

ただし月立門は例外的に、その先に見えるものが大きければ、下でいることに甘んじることができます。月立門が政治家になれるのは、このためです。

一方で、立門がコツコツと修門的に、こっそり裏で勉強する分には、力を蓄え続けることができます。

負けず嫌いを、隠す

立門は、もともと競争心があって負けず嫌いです。ここは徹底的に隠さなければいけません。

唯一、心を明かせるのは財門の方だけだと思ってください。優秀な財門は理解してくれます。官門の前や、民の前で負けず嫌いを出してしまうと、だめになります。

スキャンダルには、全門でいちばん弱い

すべての門の中で、最もスキャンダルに弱いのが陽立門です。

立門の方は、日々の言動を、特にしっかり人に見られています。その言動がキャラクターと反していると、高い確率で足を引っ張られたり、引きずり落とされたりします。これが他の門よりも如実に表れます。

陽立門にスキャンダルがあると、完成された組織であるほど、影響はひどくなります。そして、一度ダメージが残ると、それが致命傷になる。王として立ち上がれなくなってしまうこともあります。

月立門も目立つので同じく弱いのですが、こちらには「不死鳥パターン」があります。

サラリーマン時代、僕の後ろ盾だった月立門の方は、スキャンダルでグループ会社へ飛ばされました。それでも、しぶとい執念深さで戻ってきて、海外のトップになりました。みんな、その方をフェニックスと呼んでいました。

三国志の中でも、曹操がすべてを投げ捨て、恥ずかしさもなくボロボロになりながら逃げていく場面が描かれています。そこから不死鳥のように戻ってきて、相手を全員討つ。月立門は、挫折を機によみがえることができます。元々強さしか売りにしていないので、戻ってきたときには武勇伝になる。

陽立門には、それがありません。ただダメージとして残るだけです。ここは本当に気を付けてください。

組織が大きくなったときの、立門の壊れ方

最後に、立門が最も壊れやすい場面について書いておきます。

人徳も強制力も、規模には勝てません。

陽立門の人徳は、組織が大きくなると、間接の間接、また聞きになって、だんだん薄まっていきます。月立門の強制力も、直接携われる範囲を超えて、横に広がり縦に深くなると、影響力が通じなくなります。

そして、社長が優秀であるべきという常識の中で、「社長さえ言ってくれれば何とかなるだろう」という、なあなあ感が組織に出てきます。

最初のうちは、社長が優秀なので意外とどうにかなります。ところが、ある一定の線を境に、一気に使えなくなる。そのときに地場を固めていないと、いとも簡単に滅びます。

人を中心に人を集めてしまうと、その人がいなくなったら、人も離れます。

だから、こうします。最初のとっかかりは、自分の人徳や強さでコアな人たちを集めていい。そのうえで、コアな人たちにハッパをかけながら、その人たちの手で、法律コンプライアンスに準ずる、スローガンのしっかりした企業につくり変えていく。

これは企業だけの話ではありません。サークルでも、コミュニティーでも同じことが言えます。


まとめ ── 立門の道筋

1. 創門として、人に見られる場所で、徹底的に打ち込む

2. 財門のパートナーを得て、立ててもらう

3. 官門を雇い、その剋しに耐える(ここが登竜門)

4. 修門を入れ、最後に創門を広げる

5. 立門どうしでは、絶対に組まない

6. 王だと自分で言わない。財門的・官門的な動きをしない

7. 行き詰まったら、賢者に会いに行く

立門は、待てるかどうかの門です。

劉備玄徳が50歳まで、誰にも認められずわらじを編み続けたように。ひたむきに打ち込む姿を誰かが見つけ、財門が語り、官門が集まる。その順番を飛ばして、自分で王を名乗った瞬間に、道が閉じます。


ご自身が立門かどうかを確定させるには、鑑定が必要です。門協会認定アドバイザーにお問い合わせください。

他の門は 10の門 から。門の全体像は 門とは何か をご覧ください。