官門は、地位、身分、規則を武器に戦っていく人たちです。
地位、権威、身分、規律、法律、コンプライアンス、上下関係、組織、団体。こういうものを活用し合いながら、人間社会で活躍していきます。
官門には、陽官門と月官門の2種類があります。
そして、官門には、他の門にはない役割があります。
官門がいなければ、ビジネスは軌道に乗りません。永続的に継続されないし、横に広がっていかない。立門だけ、財門だけ、創門だけでは、マスには広がらないのです。
ありとあらゆるビジネスは、最終的に官門が活躍できる環境に落としていくと、うまく広がります。
官門だけは、イメージキャラクターを挙げません
他の門では、イメージとなる人物を挙げています。官門だけは、あえて挙げません。
理由は、官門の特殊能力にあります。
官門は、発動したあとに「完全コピー」の能力を持ちます。演じる力です。いろいろな人のふりができてしまう。
だから、世の中で活躍している官門の方を見ても、世間から見ると官門らしからぬ行動に見えてきます。それを自分の尊敬する人物にしてしまうと、そのキャラに染まってしまうおそれがある。
官門の場合は、ぼんやりとしたイメージを持つだけにしてください。
代わりに学ぶべきもの
それ以上に重要なのは、騎士道精神、ナイトの心得です。あるいは、いにしえの戦国時代や江戸時代に活躍した武士の精神。
君主のために、主君のために働く。そのイメージを持って、武士道精神やナイトの心得から学んでいってください。
三国志でいえば、張飛や関羽が官門にあたる働きをしています。ただし、彼ら自身の悩みや人間模様まで参考にすると、そこはよろしくない。あくまで、理想の姿としての精神だけを学んでください。
なお、「正義」と「悪」は、国や統治する人によって変わります。騎士道精神も、武士道も、根本にあるのは正義か悪かを説くことではなく、君主のために、組織のためにという精神です。そこを学んでいただければいい。
「◯◯道」を、習い事としてやっておく
陽官門も月官門も、日本に古くから根づいている「道」のつくものをやっておくと、基礎となる精神が鍛えられます。
華道、剣道、柔道、空手道。
型をもとに、その型を完全コピーして、さらに極めていく。この訓練ができます。何の道が好きかは人それぞれですが、そこから始めるのがいいです。
陽官門 ── 規則とルールと肩書きを武器に戦う
陽官門を一言でいうと、「清く正しく美しく」です。
陽官門に向いている仕事
・法律、コンプライアンス遵守型の仕事
・大きな組織や国家などの管轄にかかわる仕事
・危険や冒険を避け、ルールを守り、秩序を正すことで実力を発揮できる仕事
・明確な地位や権限が与えられる仕事
・人の模範となるような立場に立てる仕事
・法律や規則、コンプライアンスに関する仕事
・社会的地位を獲得できる仕事
具体的には、会社役員、上級公務員、官公庁勤務、法律関係者、裁判官、国会議員です。
肩書きが、要る
独立起業してビジネスを行うときも、「代表取締役社長」という肩書きがつくものが非常に適しています。
単にオーナーとして権利だけ持って暗躍するのではなく、自分自身が社長という肩書きを持つ。オーナーが別にいたとしても、社長という肩書きがあったほうがいい。
ただし、注意点があります。
自分が本当のオーナーのトップになってしまうと、君主がいなくなってしまいます。そうなると、持てる力が発揮できません。ここは官門の方に、特に気をつけていただきたいところです。
官門は、ベンチャーでも力を発揮する
「大きな組織向き」と書きましたが、実際はベンチャーでこそ官門の力が生きます。
ベンチャーには創業社長がいて、その方がつくったビジネスは、大きく拡大するときに、法律やコンプライアンスの面で必ず問題になります。
そこを考えずに、やんちゃに、ただ儲かればいいという環境のまま横に拡大すると、もれなく評判を落とす企業になってしまいます。無理やり推し進めれば、警察、許認可、税務署。この3つの機関から捕まえられることになりかねません。
必ず官門を通して、官門がイエスと言ったビジネスで横に広げていく。そうすれば安心して、縦に深掘りしていけます。
これは官門の方だけでなく、官門を活用する側の方にも理解していただきたいところです。
陽官門の言動の特徴
・法律、コンプライアンスなど、社会ルールを遵守している。社会ルールに反する人を許せない
・危険や冒険を避けてルールを守り、秩序をただすことで実力を発揮する
・明確な地位や権限が与えられる仕事で力を発揮する
・同僚、後輩、部下の模範となるような立場に立つと力を発揮する
・高貴で優雅な気質である。セオリーを守って順序正しく仕事ができる
・真面目で正直、善良な仲間・同僚と仕事がしたい
・下品なことや恥ずかしいネタの話をすることができない
・日々の一定の業務に反する、イレギュラーな仕事が嫌い
・他人の欲望にダイレクトにふれると嫌悪感を感じる
・部下、後輩を管理統制したり、取りまとめたりが得意
・仲間や同僚を能力に応じて役割分担させ、適材適所に当てはめるのが得意
・自由自在を求めるよりも、約束と拘束を模範と考える
・名声と権威を重視している
・他人から過度の束縛を受けると優柔不断になったり、度胸や決断力が弱くなる
・世間体を重んじるあまり、表面だけでも取り繕おうとする指向が強い
・きちんとしたスーツを着こなして仕事に臨むのが心地よい
・仕事に取り組むにあたり、責任感の強さでは負けない
・公的な場に引き出される機会が多い
陽官門の成功のイメージ
・組織やプロジェクトをマスに広げるため、規律を守り、組織のルールを、法律とコンプライアンスを固く守る
・常に自分自身を律しながら仕事に励み、自分のことよりも仲間やお客様のために尽くす
・真面目で正直、善良で優しい
・潔癖で気品に満ちあふれ、下品なこと、法律やコンプライアンスに違反するイレギュラーな仕事を嫌う
・きちんとしたスーツを着こなし、責任感が強く、管理する能力と取りまとめる才能が高く、全体を取り仕切ることができる
・継続して仕事を続けることで、自然に責任者・幹事を任せられるようになる
・自由さを認めることなく、束縛と拘束を模範と考え、その行動が周囲からの尊敬を集め、名声と権威を獲得していく
・公的な場に引き出されることで、本領を発揮する
月官門 ── 権力と厳しさと競争力を武器に戦う
同じ官門でも、月官門はとにかく激しい。攻撃的です。
君主がちょっとでも間違ったことを言うと、遠慮なく反抗します。
漫画によくある展開が、そのまま当てはまります。最初は手のつけられない状態で悪さばかりしている。あるとき、人徳のある人や、非常に強い力を持った人が現れて、こてんぱんにされる。すると後ろからついてきて、「帰っていいよ」と言ってもついてくる。
自分が相手を君主だと認めるまでは、徹底的に反抗します。たてついたり、ドヤ顔で自慢してきたりする。けれども一度屈服すると、認めた相手に徹底的に従うようになります。
心の中に、バーサーカーのような攻撃性が眠っています。そこをコントロールできるようになると、非常にすぐれたナイト、将軍になれます。
月官門に向いている仕事
・競争が伴う仕事環境
・勝ち上がることで高い地位を得られて、実権を握れる仕事
・簡単には手が届かないと思える目標が持てる仕事
・上下関係が明確にはっきりと分かれている仕事
・他人の利益になる仕事
・格好がよくてメンツが立つ仕事
・義理人情の通じる仕事
・激しくスピーディな仕事
具体的には、外交官、会社役員、外科医、警察官、指令官、軍人、武術家です。
月官門の言動の特徴
・競争を伴うような仕事環境では、燃えてくるものがある
・高い地位を得て、実権を握れることが成功だと思う
・普通の人が簡単には手が届かないと思える目標を設定し、達成してきた
・上下関係が曖昧ではなく、明確にはっきりしている状態のほうが落ちつく
・格好がよくて目立てるときには、力がわき起こってくる
・仕事は正義感があり、義理人情の通じる相手と行いたい
・スピード感のある仕事環境に、自分の身を置き続けたい
・幼いころから何かしらの武術や格闘を習っていた
・歴史上の戦国武将と自分を重ね合わせて考えるのが得意
・相手に問題があるときには、白黒がつくまで是非を問い続ける
・他人に屈服することだけはしたくない
・けんかや言い争いはよくするが、一度けんかした相手とは、逆に仲良くなる傾向がある
・自分よりも圧倒的に優秀な上司や先輩の下でないと従いたくない
・大勢の部下、後輩を率いる英雄的な人生を理想としている
・仕事のできる・できないを重んじ、過去の学歴は軽んじている
・自分が一度忠誠を誓った上司・先輩の言うことだけは必ず聞く
・勝ち負けにはこだわり、相手がたとえ異性であっても、肩を並べる関係に立てば公平に競う
・初対面の人間はなかなか信用できず、疑心暗鬼を強く持つ
・自分の傘下に入ってくれる後輩・部下だけは裏切らない。面倒をしっかりとみる
・課せられたミッションをやり遂げた過去の栄光を誇りにしている
月官門の成功のイメージ
・偉業と功績をたたき出せる戦国武将
・正義感が強く、義理人情を重んじている
・強い者に立ち向かい、弱きを助けるマインドセットを持つ
・見た目に迫力があり、容易に敵に屈服しない
・すぐには打ち解けず、初めは、はかりごとをしてでも相手に攻撃を仕掛ける
・けれども、ガチで闘ったあとに一度でも屈服すると、本来持つ武将としての優秀な才能を発揮できる
・分かりやすくさっぱりとした性格で、大勢の部下・後輩を率いる英雄的な人生を送る
・勝者が敗者を支配するという思想が根本にある。そのため、なかなか人を信用できず、疑心暗鬼が強い傾向もある
・それが理由で、仕事上で自然と孤独になり、一匹オオカミになりやすい面もある
・けれども、一度忠誠を誓い、世話になった相手への恩義は忘れない
・上下階層のしっかりとした組織で、抜群の力を発揮する
月官門と、引きこもり
これは、鑑定でいちばん相談の多いテーマです。
月官門には、引きこもりの経験を持つ方が、本当に多い。
会社にも学校にも行かなかった過去がある。あるいは現在進行形でそうなっている。そういう方が、月官門には非常に多いのです。
原因は、本人ではなく環境にある
いろいろな方の話を聞いていると、パターンははっきりしています。
ルールや規則がしっかりしていない場所。先生の言うことが毎日違う。上司の言うことが毎日変わる。
そういう曖昧な環境で働いてしまうと、月官門はもれなく弱っていきます。
なぜか。もともと体の中に、バーサーカーのような、マグマのようなものを飼っているからです。それが暴走すると、心身がぼろぼろになります。
危険なのは、大企業や大きな組織です。
たまたまブレない上司、ブレない仕組みを持っていればいいのですが、日本の会社は、大きい企業ほどブレることがあります。上司が変わるたびにルールが変わり、仕組みが変わり、やることが変わる。そうすると、月官門はとても弱ります。
周りに、なかなか活躍できていない月官門の方がいたとしたら、それはその人が悪いのではありません。悪いのは、指示を出している側です。
学生なら、学校を変えたほうがいい。会社なら、素直に転職したほうが早い。
そうすれば、メキメキと実力をつけ、頭角をあらわしてきます。一度頭角をあらわし出すと、その分野では、ほかの誰も勝てなくなります。
「道」が、逃げ場になる
もし今の環境が精神的に耐えられないなら、一度「◯◯道」に逃げてみてください。
武道でも、華道でも構いません。
「道」のつくものは、100年、200年と伝統を重んじるため、ブレることがほとんどありません。教え方に個人差はあっても、根本となるルール設定がブレない。月官門は、その中でとても活躍できます。
僕が鑑定した方の中に、弟さんが引きこもっているという相談がありました。武道は嫌だということだったので、華道を勧めました。やってみたら結構楽しかったようで、そこから元気になったそうです。
「道」は、官門にとっての風水スポットのようなものです。
同じ理由で、月官門はルールがブレないゲームの世界でも、トップに立つことが多く見られます。機械が動かしている以上、設定がブレることはありません。その枠組みの中で勝ちを目指すと、非常に強くなります。
官門の特殊能力
官門が発動すると、他の門にはない能力が出てきます。
1. 完全コピー
何の門なのか分からない。そういう場合、官門であることがあります。
自分で王様にもなれるし、創門的な振る舞いもできる。財門的にも、修門的にも振る舞える。「この人を完コピしよう」と思ったときには、できてしまうのです。
だから、いかなる武道も、うまく完コピして自分のものにし、極めていくことができます。
2. 演説
官門は、パワーアップしていくと、大勢の人前で上手な演説ができるようになります。
官門が演説すると、その熱狂的な渦がわき起こります。
これは、財門にはできません。財門が舞台で演説しても、うまくいきません。同じ内容でも、官門が話すと、多くの人が「おー」と賛同してくれる。
組織を拡大するときに、官門の力がいかに重要か。ここに表れています。
立門がいたとしても、立門が長く演説するより、立門は短く人徳のある話をして、そのあと官門が出てきて演説する。このほうが、熱狂が生まれます。
ただし条件があります。タイトルと地位を与えてあげること。地位も何もない状態で「やれ」と言われても、官門は演説できません。
同じ理由で、結婚式のスピーチがうまい人には、官門の要素が強く入っています。
3. 泣ける
官門は、大人でも子どもでも、ぽろぽろと大粒の涙を出して泣けます。
しかも、悲しいときだけではありません。うれしいときにも泣ける。
僕は学生時代、100人ほどのアメリカンフットボールのチームにいました。試合の前後に「今日頑張ろうぜ」「よくやった」と言いながら泣いている人が、何人もいました。当時は理由が分かりませんでしたが、あの人たちは全員、官門だったのだと思います。
100人もいると、違いが明らかです。泣く人、泣かない人、さめている人。同じユニフォームで、同じ優勝を目指しているのに、です。
官門の演技は、表面の演技ではありません。気持ちの奥底から演じているので、自然と入り込んで泣けてしまう。
4. ユニフォームとバッジ
官門は、肩書きが好きです。
同じユニフォームやコスチュームを、みんなで一緒に着るのが好き。そのうえで、表彰されることもとても好きで、胸にバッジが増えていくのが大好きです。
だから、陽官門や月官門をたくさん雇った組織をつくる場合は、ユニフォーム、コスチューム、そして見た目で階級が分かる印。これを用意すると、強烈な組織になります。
5. ブレない
官門は、本当にブレません。
同じものを、何年でも好きであり続けます。何十年も同じ姿の商品が毎年出続け、それを毎年買い続ける人がいる。そういう市場を支えているのは、官門です。
だから、ビジネスを組むときも、内輪の官門がキーパーソンになります。内輪の官門が納得するビジネスを構築し、お客様も官門にウケるビジネスにする。そうすると、ビジネスは継続します。
逆にいえば、新商品を次々に出して古いものを全部廃止していくスキームは、もったいない。官門の層が何%いるかを分析して、官門にウケる商品群をひとつ用意しておく。そのうえで、他の層向けのサブ商品をいくつか置く。この形にすると、うまく継続していけます。
官門の強みを、強くする
どこで、誰につくか。それがすべて
官門にとって、これが決定的です。
どこの組織に準じるか。どういう上司につくか。どういう業界に入るか。
なぜ入り口がそこまで重要なのか。官門は、耐えられてしまうからです。
非常に悲惨な職場でも、実入りのない環境でも、何かの事件やきっかけがない限り、ずっと働き続けることができてしまいます。
上司がブレない、組織がブレない。この条件がそろってしまうと、どんなに給料が安く、悲惨な環境だろうが、働き続けられてしまう。
その結果、財運の発動という面では、恵まれない環境のまま終わってしまう場合が多いのです。
一番ストレートに上がっていけるのも官門です。そして、道を誤ると、一番遠回りするのも官門です。
だから、中途半端に誰かを尊敬して、理解しないまま軍門に下ってはいけません。それがいい組織でなければ、弱ってしまいます。
最初のソーシングの段階で、どこで、誰と、何をやるかを、よくよく観察してください。
訓練として、プライベートで大人数の組織に入る趣味やスポーツ、芸能、美術、音楽をお試ししてみるのもいいです。
内臓の強さ ── 脾、そして心と肺
官門は、もともと他の門に比べて内臓が強い方が多い。体が屈強です。
そのうえで意識すべきは、まず脾です。
脾が悪いと、自信がなくなってしまいます。そして脾は、甘い味覚のものの過剰摂取で悪くなります。砂糖、甘味料、はちみつ、フルーツ、チョコレート、ケーキ、缶コーヒー、ジュース。
官門の方は、ここを断てるかどうかが非常に重要です。せっかくのポテンシャルがあっても、脾が持ってくれないと、一切使いこなせません。
なお、お子さまが官門の場合、本人にやめなさいと言っても、両親が食べていればマネをします。まず自分自身がカットすることが重要になります。
そして、より上位職にいくためには、心と肺が必要になります。心はカリスマ性、肺は影響力と威圧感です。
脾・心・肺。この3つを意識すると、官門は非常に活躍できるようになります。
官門の弱いところを、補う
財門と組むのが、いちばんいい
財門と官門の相性は、非常にいいです。
財門がお金のためにつくった仕組みを、官門が遂行していく。この形が、双方にとってうまくいきます。
理由は、発動している財門はブレないからです。
財門は、お金のために約束を守ります。信用と信頼をもとに、約束を守り続ける。自我が抑えられているので、プライドや思いつきでルール変更をしません。
官門にとって、これほどやりやすい相手はいません。
立門の下につくときの、危険
官門は、人徳を持つ陽立門や、圧倒的な力を持つ月立門に憧れて、その下について働きたくなることがあります。
けれども、ちゃんと発動していない立門は、とにかくブレます。
すぐ新しいことをやろうとする。思いつきで発言する。ルールもあってないようなものになる。お金のためにやっているのか、自分の自我のためにやっているのか分からない言動が出てくる。
そういう立門の下についてしまうと、官門は力を失います。疲れて、引きこもりになっていく。
上は裏切ったつもりが一切ないのに、官門のほうは「上が私を裏切った、捨てた」と感じて、泣きながら去っていく。
だから、立門がボスの場合は、財門、官門という順番でなければいけません。立門が最初から官門を雇っても、うまくいかないのです。
官門の側も、財門がうまく機能していない組織に入ってしまうと、非常に疲れます。毎日のように、上司へ下剋上のようなメールを送るようになってしまう。
創門の下も、剋される
創門が門を使いこなせていない状態で、その下についたときも、官門は非常に剋されます。
暴走した陽創門は、好きなものが日によって変わります。月創門も、「これが今の時流だ」と言って振り回す。
本人たちは、「今はこうなんだから仕方ない」と思っています。それが囚われだからです。
けれども官門から見ると、上司が何を考えているのか分からない。毎回言っていることが変わる。右へ行けと言われたのに、急に左へ行けと言われる。
ここは、官門の側も割り切ったほうがいい。立門はそういう門だから、創門はそういう門だから、と。
目指すのは、ナンバー2
官門は、ナンバー1になりたくありません。ナンバー2がいいのです。
道場でいえば、師範代のポジションです。
マスターがいて、官門は師範代。実際に門下生を教えるのは、マスターではありません。マスターは上座に座っている。何か言いたくなったら師範代を呼ぶ。実際に組織で教えるのは、官門です。
だから、官門の扱いは、ある意味で簡単です。ナンバー2にしてあげればいい。「君のことを信頼している」。その言葉が、いちばんうれしいのです。
逆に、ほかの人をナンバー2にした瞬間、急にうまくいかなくなります。
僕の仲間に陽官門の方がいます。映像の仕事をしていたころ、上司が陽立門でした。うまくいっているうちはよかったのですが、別の人がナンバー2になった瞬間、崩れました。結局その方は辞めることになり、辞める前には、周囲から病気を心配されるほど弱っていました。
そして、官門は下からも慕われます。下を守ろうとするからです。だから、官門が反逆を起こすときは激しい。組織ごと連れて出ていくこともあります。
同じ組織に官門が2人いると、必ず白黒つけます。どちらが上司の右腕かを、男女の別なく争います。
官門は、自分のためには動けない
ここが、官門のいちばん重要な特性かもしれません。
「誰かのために」でないと、官門は動きません。
誰かのためになっているとき、官門は立門だろうが創門だろうが財門だろうが修門だろうが、必要な能力をいろんなところから引っ張ってこられます。
ところが、「自分のために」になった途端、落ちてきます。
先ほどの陽官門の方は、自分の会社も持っています。そして、創業融資のサポートでは、依頼者を全員、一人も落とさずに通しています。相手が立門でも創門でも財門でも修門でも、です。それだけの強制力があります。
それなのに、自分自身のためには、それができない。
「俺がオーナーを目指す」となった瞬間に、落ちてしまう。オーナーという肩書きでなくても構わないのです。ビジネスパートナーと組んで、その人のためにやる。「誰かのために」がないと、官門は動きません。
官門だけが、自分自身から攻撃を受けている
これは、官門を理解するうえで決定的に重要です。
官門は、常に自分自身を剋している状態にあります。
「修羅として己を剋す門」という名前のとおりです。官門という自身の能力から、自分自身が常にダメージをじわじわ受け続けている。
他の門で、自分自身を剋すものはありません。官門だけです。
だから、自分の心身が崩れると、官門は自分の門の攻撃から自分を守れなくなります。
そうなると、落ちて引きこもるか、荒れた人間になるか。どちらかに転んでしまいます。
だから官門の方は、体が丈夫だとはいえ、日々の食事、睡眠時間、運動に心がけてください。そうしないと、自分自身の門にやられてしまいます。
月官門はバーサーカーを内に秘めているので、自分自身を燃やし尽くしてしまうことがあります。ここは特に気をつけてください。
強すぎるところを、弱くする
官門は、他人を剋す力が強い門です。
官門が自我を発してしまうと、「私はこう思うのに」となり、その自我で相手を攻撃する形になってしまいます。
だからこそ、騎士道精神が重要になります。君主のために、誰のために。それを必ず一つ置いて、その主君が何を望んでいるかを考える。この逆方向に押さえる部分が必要です。
主君を、信じる
門とはいえ、人間関係です。
立門でも創門でも、アイデアや考えが変わることがあります。それが、その門の能力だからです。時としては、その変わった考えのほうが合っているのかもしれない。
創門が直感的に「左だ」と言っていたのに「右だ」と言い出す。それは、未来を予測して考えてのことかもしれません。
なのに官門が「左と言ったじゃないですか、私は左しか行きませんよ」となると、左には敵が待ち構えていた、ということが起こりえます。
主君や仲間を信じる。これも騎士道精神の一部です。
「私は」を、言わない
最後にひとつ、具体的な作法を書いておきます。
官門が自我を出して「私はこう思う」と言い出しても、仕方がありません。
「私はこう思う」ではなく、「組織のためには、こう思います」と言う。
そこに「私は」を入れないでください。
自我は、全員が持っています。官門も同じです。それでも、口に出すときの主語を変えるだけで、官門は強くなります。
まとめ ── 官門の道筋
1. どこで、誰につくか。入り口がすべてを決める
2. 上司とルールがブレない場所を選ぶ。ブレる環境は、官門を壊す
3. 「◯◯道」をやっておく。逃げ場にもなり、精神の土台にもなる
4. 脾を守る。甘いものを断つ。そのうえで心と肺を鍛える
5. 財門と組む。発動した財門はブレない
6. ナンバー2を目指す。師範代のポジションがいちばん力が出る
7. 「誰かのために」でないと動けない。自分のためにすると落ちる
8. 自分の心身を守る。官門だけが、自分の門から攻撃を受けている
9. 「私は」と言わない。「組織のためには」と言う
官門は、ビジネスを最後にマスへ届ける門です。
そして、一番まっすぐ上がれる門であり、道を誤ると一番遠回りする門でもあります。その分かれ目は、能力ではなく、どこに身を置いたかにあります。
ご自身が官門かどうかを確定させるには、鑑定が必要です。門協会認定アドバイザーにお問い合わせください。